｢もったいない｣の心

私、柄に合わず色々なお稽古ごとに挑戦してきました。
好きなものは続けられるけど、嫌いなものは
すぐに辞めてしまうんです。
当然だけど。

好きになれなかったのは、お茶のお稽古。
なぜなら、先生が母だったから。

でも、ずっと続けられたのはお料理教室でした。
なぜなら、食べるの大好きだから。
非常にわかりやすいです。




社会人になってから、色々なお料理教室に通いましたが、
ずっと長く続いたのが
普通の主婦の方が自宅で開いているお教室でした。

この奥様、とても怖いんです。
で、ちょっとざーます言葉。

一番初めに伺った日私に
｢大根の桂剥きをなさいませ。｣
と発令。

｢フン、桂剥きね。チョロイわ！｣
と、まず大根の頭を包丁でポンと切り、
ゴミ箱へポイ。

｢ストーップ！！
大根の葉っぱを捨てるなんてとんでもございません。
大根の葉は栄養が豊富なんザマス。
細かく切ってごはんに混ぜても美味しいし、
細かく切ってごま油で炒めて、おじゃこと混ぜても美味しうございます。
だいたい皆さん恵まれたご家庭にいらっしゃるから何でも捨てる。
うちに来たからには、お野菜の皮も捨てることまかり通りません！｣

と、一喝されてしまいました。
だし汁をとった残りの鰹節とこぶは、
フライパンで乾煎りして、こぶを細かく切って
おしょうゆとみりんで味付けしてふりかけに。

大根やにんじんの皮はきんぴらや即席漬けに。
サツマイモの皮は、大学芋に。

だんだん、その日のお料理より
残り物活用が楽しくなってしまいました。

今では、そんなの当たり前みたいですが、
当時、そんなことを教えてくださる
お料理教室は少なかったんです。

私が年末に、きんとんを作って
残った皮で大学芋を作ったら、父が
｢大学芋は、皮より中身のほうがうまいんじゃないの？｣
----------？。
ダメだ、この家は-----。

あるとき先生が
｢あなた、お料理なんておうちでなさいますの？｣
と、失礼な一言。

｢えっ？しますよー。
お料理も、お掃除も、洗濯もしますよー。
でもアイロンがけは嫌いですけど。｣
｢まあ、とてもそんな風にはお見受けしませんけど。
お掃除なんて円く掃くタイプね。｣

まあー失礼な。
どんな人間に見えていたのかずっと気になっています。
何もできない、どーしようもない娘に見えてたんだろうなあ。

でも先生に教えていただいたレシピは、
大学ノートに８冊にも及び、そのお料理は今でもたびたび
食卓に上ります。
残り物活用も。