人生の転機

先日、学生時代の友人Ｔに久しぶりで会いました。
当時の私たち華の（？）女子大の就職先人気ナンバーワンは
商社でした。

彼女も私も、
「やっぱり、就職するなら商社よね。」
なんて勝手に決めて、先生に推薦をお願いすると
「お前たち、無理じゃない？」
とあっさり言われてしまいました。
やはり成績の良い順に割り当てられるのね。




「そこを何とか！！」
と、昼休みに教授室を訪ねると、お坊ちゃまのその教授は
「ボクは、青山のアンデルセンのデニッーシュペーストリー
（アツ、ここ大事。先生英米文学の教授ですから発音は正確に。）
が大好きなんだ。」
とか言いながら、パンをほお張っていました。

当時、車はベーンベーン（今はＢＭと言いますね。ハイ。）を
乗り回していましたから相当目立つ教授でしたが、
私たちはみんな友達みたいな感覚で接していました。

「デニッーシュペーストリーなら今度山ほど買ってきます。
だからお願いしまーす。ここで何とか就職決めないと
夏休み卒業旅行いけないし-------。だから先生お願い！！」

という事で何とか推薦をもらい（こんなんで良いのか？）、
めでたくＴも私も、それぞれ別々の商社に入社することが
できました。（先生、成績の悪い生徒の面倒見るのも大変ねえ。）

そして、３年後
「こんな仕事つまんなーい！」
と言って私は退職してしまったんですけど（ホントすみません）、
Ｔは頑張って、頑張って、登りつめ、今では会長の秘書です。
テレビにも時々登場する名物会長さんです。
すごい！！

遅れてやってきた彼女、
「首相交代や組閣人事で末端の私までが忙しくてえ。
遅れてごめん！」
「？？？？？？？？？？？」

その後も、大物政治家との会食の話やら、
大企業の社長からも個人的に相談持ちかけられる話やら
もう、私の日常とはあまりにかけ離れた話ばかりで
目を丸くするばかり。

確か、学生のときは私と変わらないレベルだったはずなのに
どこからこんなに違いが--------。

「確かに、今の会長と出会って私の人生大きく変わったね。
あのまま営業職にいたらつまんない会社生活だったかも。
人生の転機よね。今は仕事が面白くって。
毎日勉強会とかあって大変なんだけどね。」

やっぱり違う！
あのときのＴとは明らかに違う！
私とも間違いなく違―う！！

人生、何が起こるかわからないものですね。
私だって、まさか化粧品会社の社長になるなんて
夢にも思いませんでした。
私にもあったんだあ。人生の転機。

夜も更けて彼女は颯爽とタクシーに乗り込んで帰っていきました。
いつまでも応援してるからね！！