熟成

前回に引き続き、ソープのお話ですが。
よく、９０日とか80日、「熟成させたソープ」
とか言うの耳にしませんか？

私も以前はその「熟成」という言葉に
「なんか良さそう！」
と、あっさり撃沈。
よく買ってました。

そこで、デイケムのソープの試作に入った頃、
工場の方に
「このソープは、何日くらい熟成させるんですか？」
って聞いてみました。




すると---------、
「石鹸はね、乾燥させて水分を飛ばすんですよ。
それと、アルコールとかを配合している場合に
アルコール分を飛ばしたりするんですね。
熟成というと聞こえは良いんですが。
それが大体、2～3ヶ月おいて置くと乾燥して
水分やアルコール分も飛んでくれるんですね。
それと硬くなる。」

なーんだ、そうだったの？
「それで、ディケムのソープは何ヶ月寝かせるんですかねえ？」
「ああ、デイケムさんのソープは水分をほとんど配合してないんで
乾燥させる必要はないと思いますよ。それにアルコールも配合
していないし。」

「へっ？じゃあ、熟成-----いやいや、何ヶ月も乾燥したり
しなくていいんですか？」
「そうですよ。水分を出来るだけ配合しないで
原液をよく攪拌して作るんでほとんど乾燥さないで
出来ますよ。だからあんなに柔らかい手に優しい
石鹸になるんです。普通の石鹸はあそこまで原料を
たくさん配合しないですからね、水を入れて攪拌しないと
作れないですから。」

なるほど----------そうだったの？

確かにディケムのフェイシャルソープは数多い原料を
何度も何度も攪拌して作るわけですけど、ほとんど水分を
加えていません。
化粧品の原料はほとんどが液体なので、原料だけでも
かなりの水分になります。
その水分だけで水を加えないから、ねっとりと
柔らかい泡ができるソープになると言うわけです。

ウーンでも熟成させないのね？
「熟成」ってなんか良い響きなんだけど-------。

最後に工場長に
「社長は、熟成って言う言葉を使いたかったんですか？」
「イヤイヤ、別に――――。」
「石鹸だからねえ。パックならわかるけど。」
またもや見透かされていたような気がします。

化粧品って惑わされる言葉たくさんありますね！
（なんか人事みたいですけど-------。）