感動をもたらす商品をつくりたい （6）

しばらくすると1回目の試作が送られてきました。

見た目の印象は「普通！」
まあ、化粧品は見た目だけではわかりませんから。

その日は家に帰るのが楽しみでそわそわしていました。

夜、お風呂に入って洗顔してから早速つけてみると、

化粧水はスッと肌になじむ感じ、
美容液もさらっとして気持ちいいのですが、
クリームがなんだか山芋のような触感です。
手に取ろうとしても、弾力がありすぎて容器に戻ってしまうのです。

なんだろう？この感じは？本当に良いのかなあ？

そして何より匂いがひどい。
なんなのこの匂い？

天然成分だからもっと良い香りかと思ったのに。
正直言って軽－く失望していました。




翌日、起きてみると大した変化もなく、さらに失望感は増しました。

スタッフに「どうだった？」と聞くと

「ウーン！！まだわかりません！」

やっぱりね。
まあしばらく使ってみないとね。

それから2週間位したある朝、洗顔していると
突然今までとは違う肌の触感に驚きました。

なにかもちもちしていて、明らかに今までより弾力があり、
しっとりとしているではありませんか！

とにかく気持ちが良くて、自然に手が肌に行ってしまうんです。
こんなことは始めてです。

「何？この感じ？」

山芋のことなんかどこかに吹き飛んでしまうくらいの衝撃を受けました。

でも、このことは誰にも言いませんでした。
もう何度も試作を繰り返しているので、今度も「イマイチ」みたいな
返事が返ってくるのは正直ショックが大きすぎます。

1週間くらい経つと、スタッフの一人が

「あの化粧品今までのものとは全く違いますね。
始めはわからなかったけど最近明らかに肌が変わってきています。
すごーく良いです。」

「やっぱり？私も2週間目から肌が変わってきたのよ。ちょっとすごくない？」

それからモニターに出した方から、続々と同じような声が届きました。

もう、ヤッター！

って感じですね。
根気強く試作を続けて本当に良かったと思いました。