問題は山積み

「麦飯石？化粧品の原料はほとんど液体ですよ。
粉黛のものを入れると釜が傷むからダメ。」

「石鹸には、機械練と枠練があるけどどちらがいいの？」

「なんですかそれ？」

「高級石鹸作りたいの？それともお風呂で使うような石鹸？」

「もちろん高級石鹸です。」

「じゃあうちではダメだな。枠練の機械ないから。」

もう何十件断られただろうか。
来る日も来る日も、電話帳片手に片っ端から電話をかけまくっていました。

伝のない私は電話帳だけが頼りです。
後から考えると、明らかに洗濯石鹸を作っている工場にまで
電話をかけていようです。さぞ驚かれたと思います----。




それでも何件か試作を作ってくれる工場を探し出すことができました。

「ところで、麦飯石は化粧品の表示成分に入っていないのご存知ですか？」

「なんですかそれ？」

「化粧品に配合しても良い成分のリストに入っていないんですよ。」

「それを入れたらどうなりますか？」

「違法です。」

違法はいけません！！
私、これでも決まりごとはちゃんと守るほうなんです。

「どうやったら取れます？」

「ウーン結構大変だと思うけどなあ」

「結構大変でも、取れることは取れるんですよね？」

「なんとも言えませんね。取れるかもしれないし取れないかもしれない。
これは運もありますね。」

運が良ければ取れるの？
それにしても、運が良くて取れたとしても半年から1年かかると言う。
実に気の遠くなる話です。
でもここまで来たらやるしかないではありませんか。
ダメでもともと、とにかくトライ。

調べてみると、アメリカにＩＮＣＩ登録という化粧品の原料を申請する機関があり
こちらで登録して認可を受けてから、日本の化粧品工業会へ登録をしないと
ダメらしいのです。

当たり前の話ですが書類はすべて英語！
これはちゃんと英語書ける人にお願いしたほうが。
というわけでアメリカ出身のコピーライターL君にお願いすることにしました。（続く）