血が騒ぐ

「どうだ？」得意げな表情をした叔父の登場です。

「ウーン。かなり良い。」

「20トン買わないかって言われているんだけど、どうする？」

「20トン？買わないかって？どうするってどうするのよ？」

「お前が何か作るなら仕入れてやるよ。やってみれば？」

叔父は私に何をやらせたいのでしょうか。
好奇心が強いのは家系だと思うのです。
私の母も好奇心はかなり強い。
外で救急車の音がするとすぐに外に飛び出していきます。
昔、誰に聞いたのか蜂蜜とにんにくをすりおろしたものを混ぜて
10年寝かせてから顔にパックすると良いとか言って、にんにくを
すり下ろすのを手伝わされたことがあります。




確か私が中学生の頃だったと思うのですが。
家中臭いし、にんにくは結構強いから手は荒れたし、これ本当にいいの？
何より父にこっぴどく怒られていました。
それから10年間一度も開けられることがなかったそのパックを母は毎晩のように
お風呂から上がると顔に付けていました。

10年経ったにんにくは、真っ黒に変色していましたが
10年たっても、にんにくは結構臭いのです。
それを顔に塗るのだからたまらなく臭いのです。
きれいになるのって大変なのね。
あれ？これ私がこの前、麦飯石入りのパック塗ったときの感想と同じ。
そして、顔に塗った形相も似ているではありませんか。

「これイイワー。」と満足げな母。

「そんなに良いならもっとたくさん作っておけば良かったじゃない。」

「ホントね。失敗したわ。これから作る？」

「もう結構です。それにこれから10年たったらいくつよ？
パックなんてするの？」

と言うわけでにんにくパックは我が家から消えて行きました。
やっぱり、家系っていうか、血ですかね。（続く）